乳癌のセルフチェックはとても大切だという事をご存知でしょうか?なぜなら乳癌は唯一自分で発見できる癌だと言われており、セルフチェックを定期的に行うことで、早期発見につながるからです。乳癌は早期発見できれば怖くない怖くない癌です。そのため、セルフチェックは必ず行うようにしましょう。
ここでは、乳癌のセルフチェックの方法について看護師が詳しく解説していきます。
目次
Ⅰ.死亡原因第1位!11人に1人は乳癌になる!
日本では乳癌にかかる女性が年々増加傾向にあり、現在では女性の癌の中で最も多い癌が乳癌です。女性の11人に1人は乳癌になると言われており、大変身近な病気となっています。
厚生労働省によると、乳癌による死亡者数は14,013人(2016年)であり、30歳~64歳の女性の死亡原因では、乳癌が第一位となっています。
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Ⅱ.乳癌は30歳代から注意しよう!
乳癌にかかりやすい年齢は40歳代~60歳代の閉経前後の女性であると言われています。
30歳代から乳癌にかかる女性が増え始め、40歳代後半が最も高くなります。近年は、乳癌は増加傾向にあるため、50歳代以降も乳癌にかかる女性は増えています。
このため、30歳になったら乳癌の自己検診(セルフチェック)を行い、40歳代では定期的な検診(マンモグラフィーやエコー検査)を受けることが大切です。
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Ⅲ.乳癌のセルフチェック(自己検診)が大切である理由
乳癌は唯一自分で触って見つけることができる癌であり、乳癌と診断された方の約60%が自分で発見しています。
また、乳癌は早期発見することができれば怖くない癌だと言われています。早期に発見し、治療をすれば、高い確率で治すことができる癌であり、乳房を温存することも可能です。
普段から自分の乳房を触ってセルフチェック(自己検診)しておくことで、癌ができた時に「あれ、こんなしこりあったかな?」「前と違う。おかしい。」というように、乳房の変化に気が付くことができるため、普段からセルフチェック(自己検診)しておくことが大切になります。
Ⅳ.乳癌セルフチェック(自己検診)を行うのはいつがいい?
乳癌のセルフチェック(自己検診)は、生理が終わった4~5日後に毎月行いましょう。生理前は乳腺が張ってくるため、しこりなどの乳房の変化に気が付きにくく、わかりずらいかと思います。生理後の一番乳房が柔らかくなる時期がわかりやすいため、生理が終わった4~5日後が最も適した時期と言えるでしょう。
閉経後の方は、毎月決まった日に行うのがいいので、自分で忘れないよう日にちを決めて、毎月セルフチェック(自己検診)を行いましょう。
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Ⅴ.乳癌のセルフチェック(自己検診)方法
乳癌のセルフチェックを行うにあたり、以下のポイントに気をつけて自分で乳房を観察するようにしましょう。
セルフチェックのPoint!
□左右の乳房の形や大きさに変化がないか
□えくぼのような凹みやひきつれがないか
□しこりがないか
□ただれがないか
□乳首から出血や分泌物がないか
1.鏡の前でチェック
①鏡の前に立ち、両腕の力を抜いて乳房の形や左右差、乳首をチェックします。
②両腕を上げた状態で、乳房の形や左右差、乳首の状態をチェックします。
③乳首を軽くつまんで、乳を搾るようにし、出血や分泌物がないかをチェックします。
2.お風呂の中でチェック
お風呂の中でボディーソープをつけて滑りやすくすることで、乳房のチェックがしやすくなります。
①腕を上げ、指の腹を使って乳房にしこりがあるかどうかをチェックします。
②脇の下に指先をそろえて入れ、腫れていないかどうか、しこりがあるかどうかをチェックします。
3.寝る前にあおむけでチェック
①仰向けに寝ます。(背中に低めのクッションかバスタオルを折って入れると調べやすくなります。)
②左腕を上にあげ、右手で左側の乳房の内側をチェックします。
③同じ姿勢で、左乳房の外側をチェックします。
④右乳房も同様の方法でチェックします。
⑤脇の下に指先をそろえて入れ、腫れていないかどうか、しこりがあるかどうかをチェックします。
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Ⅵ.セルフチェック(自己検診)で異常をみつけたらどうする?
乳癌を発見するきっかけとなる症状の90%以上は「しこり」です。
注意すべき症状
- しこりがある
- ひきつれやえくぼのような凹みがある
- 乳首から出血や分泌物がある
- 乳首が陥没したり(元々陥没していない場合)、ただれがある
- わきの下が腫れていたり、しこりがある
上記のような症状を発見したり、何かいつもと違う、変だなと感じた場合は、乳腺外科を受診することが大切です。
「しこり」がみつかった場合でも、「乳腺症」などの良性の場合がほとんどですので、むやみに怖がる必要はありません。しかし、自己判断で大丈夫と何も検診を受けないことは危険です。必ず、専門医を受診しましょう。
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Ⅶ.さいごに
日本人は他の国に比べると乳癌検診に対する知識が低く、乳癌検診の受診率もアメリカや韓国が80~70%以上なのに対し、日本は36.4%と非常に低いのが現状です。セルフチェック(自己検診)についても、「セルフチェックをしてもよくわからないから」と何もしていない方がたくさんいるようです。
しかし、乳癌は唯一自分で発見できる癌であることや、早期に発見できれば怖くない癌であることを考えると、セルフチェックを普段から行うことがいかに大切であるかおわかり頂けるかと思います。早期に癌をみつけるためには普段から自分で乳癌のセルフチェックを行い、異常があった時に気がつけることが大切です。
はじめは方法がよくわからなくても結構ですので、普段から乳房を触っておくことが大切です。月に1度は自分の乳房の検診を行うようにしましょう。