ウテメリン(リトドリン)内服、点滴の作用や副作用に関するQ&A!

ウテメリンは子宮収縮抑制剤と言われる薬であり、切迫流産、切迫早産ではよく使われているお薬です。産婦人科で勤務する看護師が、患者さんからよく受けるウテメリンに関する質問を、Q&A形式でわかりやすくお答えしていきます。このQ&Aを読んでいただくと、ウテメリンがどのようなお薬なのか理解していただけると思います。

目次

Q.「ウテメリン」とはどんな薬ですか?効果を教えて下さい。

A.ウテメリンは切迫流産、切迫早産に使用する薬であり、子宮筋の運動・収縮を抑えてくれます。
子宮を収縮させるのは平滑筋という筋肉なのですが、この筋肉にある交感神経のβ2受容体を刺激することで、子宮の筋肉の収縮をおさえます。
お腹の張りや腹痛、出血など流産・早産の心配のあるとき(切迫流産、切迫早産)に使用されています。

Q.「ウテメリン」の副作用を教えて下さい。

A. ウテメリンの主な副作用は

  • 動悸
  • 頻脈
  • 手指の震え
  • 吐き気

などです。
以下の副作用は極めてまれなケースですが、長期大量使用時は念のため注意が必要ですのでご覧ください。

重大な副作用

1. 横紋筋融解症
頻度不明
筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投薬を中止し,適切な処置を行うこと。

2. 汎血球減少
頻度不明 
汎血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

3. 血清カリウム値の低下
頻度不明 
血清カリウム値の低下があらわれることがある。

4. 高血糖,糖尿病性ケトアシドーシス
頻度不明 
血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から,糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。

5. 新生児腸閉塞
頻度不明 
新生児腸閉塞があらわれることがある。

6. **本薬の注射剤において,肺水腫,心不全,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少,ショック,不整脈,肝機能障害,黄疸,中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),胸水,母体の腸閉塞,胎児及び新生児における心不全,新生児心室中隔壁の肥大,新生児低血糖があらわれたとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

循環器
頻度不明 
不整脈(心室性期外収縮等)
循環器
0.1~5%未満 
動悸,頻脈,顔面潮紅
肝臓)
頻度不明 
AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等
血液
頻度不明 
血小板減少
精神神経系
頻度不明 
しびれ
精神神経系
0.1~5%未満 
振戦
精神神経系
0.1%未満 
ふらつき
消化器
0.1~5%未満 
嘔気,腹痛
過敏症
頻度不明 
発疹,紅斑
胎児・新生児
頻度不明 
胎児頻脈,胎児不整脈,新生児頻脈,新生児低血糖症
注)異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な処置を行うこと。
引用:製造販売元 ポーラ ファルマ「リトドリン錠5㎎」

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Q.「ウテメリン」を飲むと、突然脈が速くなり息苦しくなります。怖いのですが大丈夫でしょうか?

A.「ウテメリン」の副作用の代表的な症状に、動悸、息切れ、頻脈(脈拍数が1分間に100回以上になること。正常な場合は60~90回/分程度)があります。「ウテメリン」は副作用が強く現れる薬であり、脈拍が速くなり胸がドクドクするのが続く、息苦しくなる、などの症状はよく現れる副作用のひとつであるため特に心配はいらないかと思います。その他にも、めまいや、吐き気、手指が突然震えだすなどの副作用もよく現れる副作用症状になります。

多くの場合は心配はいらないかと思いますが、ごく稀に重篤な副作用が現れることもありますので、それらの症状が増強してくる場合や、しんどくて日常生活ができない程である場合、何かいつもと違った症状がある場合は必ず医師に相談するようにしてください。
また、副作用が辛い方も症状が落ち着いてくればお薬の量を減らせる場合もありますので、医師に相談してみましょう。

Q.「ウテメリン」を内服しだしてから手の震えがおさまりません。心配なのですが、いつおさまりますか?

A.手の震えはウテメリンの副作用の一つです。徐々におさまってくる場合もありますが、ウテメリンを内服している間はずっと手指の震えが続く方もいます。内服を止めると、手指の震えもおさまりますので、安心してください。どうしても手の震えがひどくて生活に支障が出るという方は、医師に相談してみましょう。

Q.「ウテメリン」は副作用が強いと聞いていましたが、副作用が全くありません。薬が効いていないのでしょうか?

A.そんなことはありません。副作用が出る出ないは人によりますので、全く何も感じないという方もいます。「ウテメリン」の場合は比較的副作用が強くでる方が多いのですが、中には何も副作用を感じなかったという方もいます。副作用が出ないから、効果が出ていないとうわけではありませんので大丈夫です。

ただし、「ウテメリン」を内服してもお腹の張りが全くおさまらない場合は効果が出ていない、もしくは薬の量が足りていない場合がありますので、必ず受診するようにしましょう。

Q.「ウテメリン」は胎児への影響がありますか?

A.頻度は少ないですが、稀に以下の影響がある場合があります。

胎児の心不全、頻脈、不整脈
そして、新生児の心不全、腸閉塞、低血糖など
の症状を引き起こす場合があるとされています。

引用:製造販売元 ポーラ ファルマ「リトドリン錠5㎎」

妊娠中は極力薬の使用は控えたいですよね?上記のように胎児への影響があると聞くと、特に使用したくないと思うでしょう。

しかし、切迫流産、切迫早産の場合、万が一早産になってしまったらどうでしょう?
週数が浅い時期に早産になると、赤ちゃんは胎外生活に適応できず亡くなってしまうケースもありますし、重い障害が残ってしまうケースもあります。このように、「早産になることで胎児に与える影響」と、「ウテメリンを使用することでの胎児への影響」を天秤にかけた時に、早産になることの方が悪影響であると判断し、ウテメリンを使用しています。

副作用もあるお薬ですので、医師や薬剤師にしっかり薬について説明を受け、納得した上で薬を使用するようにしましょう。

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Q.「ウテメリン」と「リトドリン」、「ウテロン」など色々な名前がありますが、違いは何ですか?

A.どれも同じ薬で切迫流産・早産に使用するお薬です。
医薬品名が「ウテメリン」であり、この薬の成分が「リトドリン塩酸塩」です。

色々な名前があるのは、ジェネリック医薬品があるからです。ジェネリック医薬品とは新薬(先発医薬品)の特許が切れたあとに販売される、同じ有効成分、同じ効果で、価格の安い薬のことをいいます。

「ウテメリン錠5㎎」が1錠106.90円なのに対し、
同じ有効成分、同じ効果のある薬の名前と値段を表にまとめましたので、参考までにご覧ください!(下の表の薬はすべて「ウテメリン」と同じ有効成分、同じ効果の薬です。)

医薬品名 1錠あたりの値段
ウテロン錠5mg 15.50円
リトドリン塩酸塩錠5mg 15.50円
ウテメナール錠5mg 16.80円
ウテメック錠5mg 16.80円
リトメリン錠5mg 16.80円
ルテオニン錠5mg 68.20円
レキサビン錠5mg 16.80円
ウルペティック錠5mg 16.50円

Q.「ウテメリン」は錠剤と点滴とありますが、違いは何ですか?

A.効果としては同じですが、点滴は緊急性がある場合に使用します。
切迫早産が悪化し、今にも生まれそうな状態(早産になりそうな状態)の場合は、入院をしてウテメリンの点滴を持続で行います。

Q.「ウテメリン」の錠剤はいつまで内服が必要ですか?

A.ウテメリンの錠剤の場合、内服する頻度も人により異なります。

  • お腹が張る時のみ内服する
  • 朝夕1日2回内服する
  • 朝昼夕食後の1日3回内服する

というように、その人の症状により内服量もことなるため、いつまで内服が必要になるかも人により異なります。

お腹の張りなどの症状が落ち着いてくれば、内服も中止になるでしょうが、症状が落ち着かない方は、正期産(妊娠37週)にはいるまでは内服を継続する必要がある方もいます。

内服は勝手に自己中断してはいけません。必ず、医師に確認をするようにしましょう。

Q.お腹が張った時に「ウテメリン」を飲むように言われましたが、どれくらい間隔をあけて飲んだらいいですか?

A.患者様には4時間空けたら次の薬を飲んでもいいと説明をしています。

4時間以内に内服しなくてはいけないような状態の場合は、もしかすると症状が悪化している場合がありますので、必ず受診をしてください。受診して、薬の量を増やすか、頓服処方ではなく定期内服の処方に変更になるでしょう。

Q.入院して「ウテメリン」の点滴をすることになりました。点滴はいつまでしなければいけませんか?

A.ウテメリンを点滴で開始になる場合は、緊急性が高い場合です。症状が落ち着いてくると点滴が中止になり1~2週間で退院できる方もいますが、中には出産間際のもう赤ちゃんが生まれてきても大丈夫だろうというくらいまで(妊娠35~36週まで)は点滴をはずせない方もいます。私の知る限りでは切迫早産で入院となると、1~2ヵ月以上は入院してずっと点滴をされている患者さんが多いです。長期入院になる場合は、妊娠35~36週までは入院をし、ウテメリンの点滴を持続で行う場合が多いでしょう。

Q.「ウテメリン」の点滴をしていると、動悸とほてりが強く出てしんどいです。この症状はずっと続きますか?

A.ウテメリンの点滴では副作用が強く出る場合があります。動悸やほてりも副作用の症状のひとつですが、しばらくすると徐々に慣れて落ち着いてくると思われます。人によりますが、3~4週間もすると点滴の副作用を感じなくなったという患者さんが多いです。

私自身も切迫早産で入院していますので、実際に2ヵ月半ウテメリンの点滴を持続で行っていました。はじめの頃は内服よりも激しい動機と、息切れのような症状がきつく出ましたが、徐々にそれらの症状は感じなくなり、3週間頃からは動悸は全く感じなくなりました。おそらくほとんどの方は私のように、副作用に慣れてくるでしょう。

ただし、中には副作用がずっと続くという方もいますし、重篤な副作用が出ないとも言いきれません。副作用が辛いほど出ている場合やだんだんひどくなるといった場合には必ず医師に報告するようにしてください。

Q.「ウテメリン」の点滴を中止すると、そのまま陣痛がきてしまうことはありますか?

A.はい、※約2割の方は、点滴中止後そのまま陣痛→出産になることがあります。

ウテメリンはお腹の張りを抑える薬です。そのため、点滴を中止すると「張り返し」がくることがあります。
「張り返し」とは、血液中のウテメリンの成分がなくなってきた頃に、急にお腹が張りだすことですが、多くの人はこの「張り返し」を経験すると思います。しかし、大抵の場合は「張り返し」が起きても、次第に張りが落ち着いてきて退院することができます。
しかし、中には「張り返し」から陣痛につながってしまい、そのまま出産になる方もいます。私が働いていた病院では切迫早産で入院している妊婦さんのうち、約8割は「張り返し」後、退院できますが、約2割は「張り返し」から陣痛→出産になっています。

私自身も、その2割のうちの一人であり、ウテメリンの点滴を2か月半行い、妊娠36週で点滴を中止し一旦退院できる予定でした。しかし、点滴を朝10時に中止後、夕方から陣痛が始まってしまい、そのまま出産となってしまいました。

点滴中止後いつ陣痛がくるのか気になると思いますが、医師にもいつ陣痛がくるかはわかりません。そのため、点滴を中止する際はほとんどの場合は心配いらないとおもいますが、万が一陣痛がきてもいいように出産の準備、心の準備をしておくことをおすすめします。ご家族にも、もしかしたら点滴中止後、陣痛がくることもあるという事を伝えておきましょう。
約2割の方というのは、私が勤務していた病院内のことであり、全国的にデータをとっているわけではありません。

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