プロが教える切迫早産完全ガイド!9つの原因と4つの症状

妊婦検診

切迫早産と診断されると、とても不安ですよね?
「切迫早産って何?」
「赤ちゃんは健康な状態で出産できるの?」
など「心配で夜も眠れない」という方もいらっしゃるかと思います。
しかし、心配のし過ぎは精神的なストレスを溜め込んでしまうことから、当然ながらお腹の赤ちゃんにも良くありません。切迫早産は正しい処置を行えば、無事元気な赤ちゃんを生むことも可能です。
私も、切迫早産と診断され約2か月半入院していましたが、無事元気な赤ちゃんを出産することができました。その実体験を元に、切迫早産について詳しく説明していきます。
不安を断ち切り、冷静に対処するには、切迫早産について深く理解することが最も大切です。私と同じように切迫早産と診断され、不安を抱えるママが、少しでも気持ちが楽になってもらえたらと思います。

Ⅰ.切迫早産とは? ~覚えておくべき基礎知識!~

切迫早産とは「妊娠22週~37週未満」に

  • 子宮収縮が頻繁に起こる
  • 子宮の出口が開く
  • 破水して羊水が外に出てくる
  • 子宮頸管が柔らかくなる

などの兆候があり、早産の危険性が高い状態をいいます。
つまり、「早産になる一歩手前の状態」のことです。

では、「早産」とはどういった状態のことをいうのでしょうか?
本来、出産は「妊娠37週~42週未満」の期間に出産(正期産)しますが、早産とは、正期産よりも出産時期が早い「妊娠22週~37週未満」に赤ちゃんが生まれてきてしまうことを言います。

早産 妊娠22週0日~妊娠37週未満(36週6日)の分娩
切迫早産 妊娠22週0日~妊娠37週未満(36週6日)に赤ちゃんが生まれそうになっている状態
正期産 妊娠37週0日~妊娠42週未満(41週6日)の分娩

妊婦さんのうち、切迫早産になるのは約15%であり、そのうち実際に早産になる方は約5%といわれています。切迫早産と診断されると、早産にならないよう治療をする必要があります。

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Ⅱ.切迫早産の診断

以下の3つの項目にあてはまる場合に切迫早産であると診断されます。

①妊娠22週~37週未満

切迫早産は、妊娠22週~37週未満に「早産になる一歩手前の状態」になることをいいます。そのため、妊娠22週~37週未満であることが条件です。この週数にあてはまらない場合(妊娠22週未満)は、切迫流産といいます。

②4つの自覚症状

  • お腹の張り(子宮収縮)←最も多い症状
  • 下腹部痛
  • 少量の性器出血
  • 破水

※上記に記した4つの症状は、必ずしも全ての人にでるというわけではありません。私の場合は、切迫早産と診断された時にあった症状は、「お腹の張り」だけでした。

③経腟超音波検査でわかる2つの所見

経腟超音波検査とは、膣に超音波(エコー)の機械を入れて子宮内や頸管の状態の観察を行う検査です。この検査により、子宮口が開大している、もしくは子宮頸管が短くなっている場合も、切迫早産と診断されます。

1.子宮口開大

通常、子宮口は出産が近づくまでは赤ちゃんが出てこないように閉じています。しかし、何らかの原因により子宮口が開いてしまうと、まだ生まれてきてはいけないはずの赤ちゃんが出てきてしまいそうになります。

2.子宮頸管の短縮

子宮頸管の長さが、正常な場合と切迫早産の場合ではどのように違うのか下の表にまとめましたのでご覧ください。

  子宮頸管の長さ  
正常 妊娠30週未満で35~40mm
妊娠32~40週で25~32mm
切迫早産 診断基準 30mm以下
早産リスク大 妊娠24週未満で
25mm以下
入院管理 20~25mm以下
(病院による)

正常な子宮頸管の長さは、妊娠30週未満では35~40mm、妊娠32~40週では25~32mmと妊娠の週数が進むにつれて、少しずつ短くなります。

しかし、子宮頸管が約30mm以下になると早産の危険性があるため、切迫早産と診断されることが多いようです。
妊娠24週未満で頸管長が25mmより短い場合は、標準的な頸管長に比べ「6倍以上」も早産になりやすいとされています。

また入院管理になる目安は、一般的には頸管長が25mm以下とされています。しかし、私が通っていた病院の場合は20mm以下で入院管理でしたので、病院によって入院とする基準値は多少差があるようです。子宮頸管が短くなっている方は、いずれ入院になる可能性もあるため、何ミリから入院が必要かあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

Ⅲ.切迫早産って治るの?

切迫早産は基本的には、「治る」というものではありません。治療を行うことで、「お腹の張りがおさまった」「出血が止まった」など症状が落ち着くことはありますが、一度診断されると、早産にならないように治療を継続して行う、または継続的に経過観察をしていく必要があります。

私の場合は、切迫早産と診断された妊娠23週から出産までの間はずっと、ウテメリン(子宮収縮抑制剤)の内服、安静、ウテメリンの点滴の治療を続けていました。緊急入院になった妊娠26週頃が一番お腹の張りが強く、治療を続けることで段々とお腹の張りはおさまっていきました。しかし、医師からは「切迫早産が治ることはないから、長期間の治療となるでしょう」といわれてしまいました。

全ての方が私と同じではありませんが、切迫早産と診断された方は例え症状がおさまった場合でも決して無理はしないようにしましょう。

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Ⅳ.切迫早産の9つの原因

実は、切迫早産の原因は必ずしも「お母さん」だけにある訳ではありません。お腹の中の「赤ちゃん」が原因の場合もあります。
原因は、「お母さん側」と「赤ちゃん側」によって以下のように分けられます。

①お母さん側の6つの原因

1.絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)

通常、赤ちゃんは「脱落膜」「絨毛膜」「羊膜」の3つの膜に包まれており、外敵から守られています。しかし、膣内の常在細菌が「絨毛膜」「羊膜」に感染し、炎症を起こした状態を絨毛膜羊膜炎といいます。
早産の原因として最も多く、発症すると短期間で早産に至ります。
自分では気がつきにくいため、定期健診は必ず受けるようにしましょう。

2.子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)

妊娠中期(妊娠16週以降)に陣痛がないにも関わらず、子宮口が開いてしまい、妊娠が維持できない状態をいいます。
発生率は0.05~1%とされていますが、流産・早産の原因の約20%を占めます。
場合によっては、頸管縫縮術(頸管が開かないように縫ってくくる方法)を行うことがあります。

3.妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

妊娠20週以降、出産後12週までの期間に、
「何らかの原因により高血圧が起こる」または、「高血圧に加え母体の血管障害や様々な臓器障害が発生する」全身性の症候群です。
妊婦さんの中の約3~7%に発症し、母体死亡や周産期死亡の主な原因となっています。ひと昔前までは、「妊娠中毒症」と呼ばれていました。
降圧薬を使用し、食事療法、安静にするなどの治療を行いますが、重症な場合は帝王切開になることもあります。

4.ストレス、疲労

ストレスや疲労により交感神経が優位になると、血管の収縮がおこり子宮が収縮しやすくなるため、切迫早産の原因となります
切迫早産の治療は安静を強いられることが多いため、ストレスを抱えやすいですが、なるべく自分なりに息抜きできる方法をみつけて、ストレスは溜めすぎないよう心掛けてみましょう。

5.動きすぎる

妊娠中期~後期になると、お腹が大きくなるため通常でもお腹が張りやすくなります。自分では「これくらいは大丈夫」と思っていても、知らず知らずのうちにお腹に負担がかかっている場合があります。「大丈夫」と自己判断するのではなく、お腹が張った場合は「安静にすること」が大切です。
仕事中や、上のお子さんがいる方は難しい場合もあると思います。しかし、無理をしすぎることで、切迫早産が悪化してしまい入院になる可能性もあります。安静にできる環境が作れるよう、家族や周りに相談してみるといいでしょう。

6.冷え

妊娠中は体を冷やすと、血管が収縮するため、お腹が張りやすくなってしまいます。特に、「足首」を冷やすとお腹が冷えやすいため、靴下やレッグウォーマーを使用することをおすすめします。また、「お腹」も冷やさないよう、腹帯をしておくといいでしょう。

②赤ちゃん側の3つの原因

1.胎児機能不全

胎児機能不全とは、妊娠中あるいは分娩中に赤ちゃんの状態を評価する臨床検査において「正常ではない所見」が存在し、「赤ちゃんの健康に問題がある」あるいは、「将来問題が生じるかもしれない」と判断された場合をいいます。胎児機能不全では、赤ちゃんは低酸素状態に陥っており、胎児の臓器の機能が低下し、健康状態が悪化します。

2.羊水過多

羊水量は妊娠週数が進むにつれて増加し、妊娠30週にピーク(正常な場合:羊水量500ml)となります。羊水過多は、妊娠の時期にかかわらず、羊水量が「800ml」を超える場合をいいます。
羊水量が多いと子宮はその分大きくなるため子宮の下部が過伸展してしまい、切迫早産になりやすくなります。

3.多胎妊娠

多胎妊娠(双子・三つ子)はお腹が大きくなるため、その分お腹も張りやすく、早産になりやすいといわれています。
双子の場合、早産率は約50%であり、一人を妊娠している場合と比べると、約12倍も早産になりやすいといわれています。そのため、多胎妊娠の場合は切迫早産になりやすいので、妊娠初期から注意が必要です。

{私の体験談}私が切迫早産で入院になった原因と、無理をしてはいけない理由!

仕事をしている妊婦私は、妊娠23週で切迫早産の診断を受けました。原因は、仕事によるストレスや疲れ、動き回って無理をしてしまったことでした。看護師は、夜勤勤務もありますし、患者さんを抱えたり、動き回ることが多い仕事です。妊娠後も、変わらず今までと同じように働いていた結果、切迫早産になってしまいました。

診断を受けてからは、職場のスタッフや上司が配慮してくれたお陰で、座ったまま作業ができる仕事を割り当ててくれ、非常に助かりました。みんなが忙しく動き回っている中、自分一人だけが座って仕事をするのは心苦しく、本当に申し訳ない気持ちになります。そんな中、ただでさえ迷惑をかけていると思うと、「今日は少しお腹が張るかも」と思っても、「休みます」とはなかなか言い出すことができませんでした。

また、誰もいない時はナースコールを出ないわけにもいきませんので、対応に歩き回ることもありました。恐らく、少し無理をしていたのだと思います。はじめの頃はウテメリン(子宮収縮を抑える薬)を内服するとおさまっていたお腹の張りも、次第に回数が多くなっていきました。

結果、妊娠26週の頃、急にお腹の張りがおさまらなくなり、緊急入院となってしまったのです。

切迫早産は症状が悪化して入院せざるを得なくなると、「出産まで退院できない」ということも少なくありません私の場合は無理をしてしまった結果、妊娠26週から出産までの長期入院となり、余計に周りに心配や迷惑をかけてしまうこととなりました。

仕事上、今まで切迫早産で入院している患者さんはたくさん看てきましたし、入院生活や治療についてもよく知っています。
しかし、入院生活は実際体験するのと、看るのでは大違い。想像以上に過酷なものでした。24時間ベッドの上から動くことができない入院生活は、本当に地獄のようです。赤ちゃんのことも心配ですし、入院のストレスも加わり、本当に気がおかしくなりそうでした。

入院になった妊娠23週頃は、そろそろお腹が大きくなってきたので、主人と一緒にベビー用品を見に行ったり、マタニティフォトを撮りたいと思ったり、生まれてくる赤ちゃんのことを考える毎日でしたが、入院生活になってしまったせいで動けなくなり、「なぜあの時無理をしてしまったのだろう」と、とても後悔しました。また、36週の早産での出産になってしまい、赤ちゃんにも悪いことをしてしまったと本当に反省しています。

みなさんもそうならないよう、無理は絶対にいけません。切迫早産は赤ちゃんの命にも関わることですし、軽くみていると、取り返しのつかないことになってしまいます。

仕事が休めないと悩んでいた頃、母が私に言った言葉です。
「仕事を休んで迷惑をかけてもいい。まわりから、あの人また休んで迷惑ねと思われてもいいじゃない。赤ちゃんに何かあってから後悔しても遅いのよ。赤ちゃんを守れるのはあなただけなんだから。」

母の言葉を素直に守れなかった自分に後悔しています。もし、私と同じような状況で悩んでいる妊婦さんがいらっしゃったら、無理をせず、体を第一に考えていただきたいです。

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Ⅴ.切迫早産の注意すべき4つの症状

①お腹の張り(子宮収縮)

妊娠中期以降(妊娠16週以降)になると、切迫早産でなくてもお腹が大きくなるにつれ、お腹が張ることが多くなります。しかし、しばらく安静にしても張りがおさまらない場合さらに張りが強くなる場合は、切迫早産かもしれないため注意が必要です。
お腹の張りの具合は妊婦さんによって異なりますが、いつもより張りが強いと感じたら注意が必要です。お腹の張りは通常は休むと治まりますが、休んでいても張りがおさまらない場合や、おさまったと思っていてもまたすぐに張る場合は、医師に伝えましょう。

②下腹部の痛み

お腹の痛みの程度は、「少しチクチクする感じ」という方もいれば、「突然ズキンと下腹部が痛くなった」という方もいるため人により感じ方が違います。しかし、多くは「下腹部の辺りに痛みを感じる」「お腹が張ると同時に痛くなる」と感じている方が多いようです。

③性器出血

妊娠22週以降37週未満に性器出血があれば、切迫早産の疑いがあります。出血量はおりものに混じっている程度や、レバーのような塊がでることもあります。妊娠37週に満たない時期に出血があった場合は、少量でも必ず医師に伝えましょう。

④破水

破水とは、卵膜(赤ちゃんと羊水を包んでいる膜)が破れ、羊水が外に出てくることをいいます。通常、破水はお産が近づいてくると起こるものですが、妊娠37週未満で破水が起こると、早産の危機が迫っているため、すぐに病院に連絡する必要があります
破水の仕方には個人差があり、いきなり大量の羊水が出る方もいれば、少量ずつじわじわと出る方もいます。妊娠後期は膀胱が圧迫されることで尿漏れが起こることがあり、破水を尿漏れと勘違いしてしまうこともあります。破水かどうかを見極めるのは難しいかもしれませんが、下記の項目にあてはまるか確認してみましょう。不安であれば、医師や助産師に相談してみることをおすすめします。

  • 何もしなくても流れ出てくる
  • サラサラしていて水っぽい
  • 無色無臭である(黄色味がかっていることもありますが、尿よりも薄い黄色です。)

{私の体験談}切迫早産の症状、お腹が張るってどんな感じ?安静にしていてもお腹の張りがおさまらないときはすぐに受診を!

切迫早産悪化私は仕事中、長時間立ちっぱなしだったり、動き回ることが多いため、妊娠中期から仕事中にお腹が張ることがよくありました。はじめは「お腹が張る」という感覚がつかめませんでしたが、子宮がキューっと締め付けられ縮んでいくような感覚や、服の上から触ってもわかるくらいお腹がカチカチに硬くなる症状を経験するうちに、お腹の張りを理解していきました。

妊娠20週頃は、お腹の張りを感じるのは仕事で動き回っている時だけであり、座って安静にしていればすぐに張りはおさまっていました。しかし、次第に休日でもお腹が張ることが多くなり、ついに妊娠23週で切迫早産と診断されてしまいました。

そして、無理を続けた結果、更に症状が悪化。寝ていても全くお腹の張りがおさまらず、今にも赤ちゃんが生まれてきそうな感覚になりました。お腹の痛みは全くありませんでしたが、お尻を中から押されているような感覚で、お尻を押さえていないと赤ちゃんがでてきそうでした。まさに「う、産まれるー。」といった状態でした。

私の場合、症状は「お腹の張り」だけだったので、下腹部痛や出血、破水はありませんでしたが、症状には個人差があるので、すべての症状がでる方もいれば、自覚症状があまりないという方もいます。そのため、妊婦検診はとても大切です。検診では、お腹の張りの状態から羊水の量、子宮頸管の長さまで幅広く診ます。自覚症状がなくても、健診で異常が見つかる場合もありますので、妊婦健診は毎回受けましょう。また、自覚症状がある場合はすぐに受診することを心がけてくださいね

Ⅵ.まとめ

①切迫早産とは
早産の一歩手前の状態です。しっかり対処し、安静にすれば元気な赤ちゃんを出産できる可能性は十分にあります。

②切迫早産の診断
妊娠22~37週未満に、以下のような症状・所見がみられた場合に切迫早産と診断されます。

  • 規則的な子宮収縮(お腹の張り)
  • 下腹部痛
  • 性器出血
  • 破水
  • 子宮口開大
  • 子宮頸管の短縮

③切迫早産は治らない
症状が落ち着くことはありますが、「治る」ということはありません。一度診断されると、早産にならないために観察、治療をする必要があります。

④切迫早産の原因は、「お母さん側」と「赤ちゃん側」の原因がある
原因により治療方法は多少異なりますが、切迫早産と診断された場合には無理をしないことが大切です。無理をすると早産、長期間の入院になる可能性があります。

⑤切迫早産の症状

  • お腹の張り
  • 下腹部の痛み
  • 性器出血
  • 破水

上記のような症状がある場合は、自己判断せずに受診しましょう。

切迫早産について少し理解できましたか?
切迫早産はしっかり理解して対応すれば怖くありません。
今ある症状を悪化させないためにも、元気な赤ちゃんを出産するためにも、しっかり治療をおこないましょう。無理も絶対にしないようにしてくださいね。

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