産後のお悩み

出産育児一時金の受け取り方や手続き、直接支払制度について全まとめ!

出産の際の分娩費や入院費は保険が適用されないため結構高額を支払わなければいけません。そんな時に大変ありがたい「出産育児一時金」という制度についてご存知でしょうか?「出産したら42万円もらえる制度」といったら知っている方も多いかと思います。ここでは、この「出産育児一時金」についてもらえる金額やもらえるのはどんな人か、また申請先についても詳しくご紹介していきたいと思います。

Ⅰ.出産育児一時金はいくらもらえる?

出産育児一時金っていくらもらえるの?
子供1人につき42万円が支給されるよ!

出産育児一時金とは、健康保険に加入している人なら、健康保険の種類に関係なく
「出産1人につき42万円」が支給される制度のことを言います。

双子以上の場合は、「42万×人数」分が支給されます。

また、勤務先の健康保険組合や自治体によっては、付加給付金がでる場合もあり、
「42万円+α」でる場合もありますので、勤務先や役所に確認をしてみましょう。

Ⅱ.出産育児一時金ってどんな人がもらえるの?

出産育児一時金って誰でももらえるの?
健康保険に加入しているか、被扶養者になっている方で、妊娠4か月(85日)以上で出産した場合であれば、誰でももらえます!

つまり、保険証をもっている方で、妊娠4か月以降に出産した場合であれば、出産育児一時金は「子供1人当たり42万円」もらえます

※しかし、

  • 産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産する場合
  • 在胎週数22週未満で出産になった場合

上記の場合は42万ではなく、40万4000円が支給されます。

※流産や死産の場合でも、
妊娠4か月(85日)以降であることと、健康保険に加入している場合であれば、出産育児一時金42万円が支給されます。

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Ⅲ.出産育児一時金の3つの受け取り方法

出産育児一時金の受け取り方法は

  1. 直接支払制度
  2. 受取代理制度
  3. 産後申請方式

の3つの方法があります。

しかし、原則は「①直接支払制度」を利用することになっています!

まれに直接支払制度を導入していない産院もあるため、その場合は「②受取代理制度」「③産後申請方式」の受け取り方法となります

では、上記の3つの受け取り方法について説明していきましょう。

①直接支払制度

原則として、この直接支払制度を利用します。

病院と直接支払制度を利用するという契約を交わすと、病院側が手続きをしてくれます後日、医療保険者から病院に直接「出産育児一時金」が支払われます

42万円を超えた場合は、退院時に差額分を支払います。
42万円より安かった場合は、後日医療保険者より口座に差額分を振り込んでもらえます。

②受取代理制度

受取代理制度は、書類にママと病院が必要事項を記入し、ママが健康保険の窓口に提出し申請を行います
申請後、「出産育児一時金」は医療保険者から病院に直接支払われます

42万円を超えた場合は、退院時に差額分を支払います。
42万円より安かった場合は、後日医療保険者より口座に差額分を振り込んでもらえます。

【直接支払制度との違い】

制度 手続き方法
直接支払制度 病院側が行う
受取代理制度 ママが自分で健康保険の窓口に提出

直接支払制度との違いは、手続きを病院がしてくれるか、ママが自分でするかの違いです。直接支払制度を導入していない産院の場合は自分で手続きをしなくてはいけません。申請は、出産予定日の2カ月前から行うことができます。

③産後申請方式

直接支払制度を利用しないという契約を病院と交わし、退院時に分娩・入院費用を全額支払います。その後、書類に必要事項を記入し、ママが健康保険の窓口に申請すると、「出産育児一時金」が振り込まれます

メリットは、直接支払制度の場合は病院側に手続きを行ってもらう際は事務手数料がいくらか取られますが、産後申請方式の場合は手数料がかかりません。

デメリットは、一度に高額なお金を支払わなければならないことです。分娩・入院費用は病院によっても異なりますが、40万円前後~60万円程度かかります。申請後に「出産育児一時金」の42万円は返ってきますが、一度に支払う金額が高いというのは困るという方もいるでしょう。

Ⅳ.どこで申請すればいいの?

申請ってどこですればいいの?
上記で述べた、「直接支払制度」を利用する場合は、病院側が申請をしてくれるため、申請先を気にする必要はないんだよ!
「受取代理制度」「産後申請方式」を利用する場合は自分で申請しなければいけないから、申請先を確認しておこう!

出産育児一時金の申請先は、ママが仕事をしているかどうかや、どの健康保険に加入しているかでも異なります。
では、ママの状況が、

  1. 会社員、公務員で仕事を継続する場合
  2. 仕事を退職する場合
  3. 専業主婦、パート、自営業の場合

上記の3つにわけて、どこに申請するのかを見ていきましょう。

①会社員、公務員で仕事を継続する場合

ママの健康保険 勤務先の健康保険
パパの仕事  パパの仕事は関係なし
申請先 ママの健康保険

ママが働いている場合は、ママの健康保険から「出産育児一時金」が支給されます。
勤務先の健康保険に申請をします。
手続き等は勤務先の担当部署に確認をしましょう。

②仕事を退職する場合

妊娠・出産で退職したママは、普通はパパの健康保険に「被扶養者」として加入しますが、

  • パパとは別に国民健康保険に加入することもできます
  • 退職後20日以内に「任意継続」の手続きをして今まで入っていた健康保険を2年間引き継ぐこともできます

よって、退職する場合はどの健康保険に加入するのかを決め、手続きが必要です。
加入する健康保険により、出産育児一時金の申請先も異なります。

加入する健康保険が、

a.パパの健康保険(被扶養者)
b.国民健康保険
c.任意継続の健康保険

上記の3つの場合にわけて、申請先がどこになるのかを見ていきましょう。

a.パパの健康保険(被扶養者)

会社を退職すると、パパの健康保険の扶養に入れます。

ママの健康保険 パパの健康保険(被扶養者)
パパの仕事 会社員・公務員
申請先 パパの健康保険
or
退職前の健康保険

パパの健康保険に加入している場合、申請はパパの健康保険の担当部署に申請をします。

ママが前の職場で1年以上継続勤務しており、退職してから6か月以内の出産なら、退職前に加入していた健康保険に申請することもできます。

※申請する場所は1か所のみです。

b.国民健康保険

パパが自営業の場合は、ママは国民健康保険に加入します。

ママの健康保険 国民健康保険
パパの仕事 自営業
申請先 国民健康保険
or
退職前の健康保険

国民健康保険の場合は市区町村の役所に申請をします。

ママが前の職場で1年以上継続勤務しており、退職してから6か月以内の出産なら、退職前に加入していた健康保険に申請することもできます。

※申請する場所は1か所のみです。

c.任意継続の健康保険

退職しても前の勤務先で加入していた健康保険を任意継続する場合は、いったん保険証を返却し、再交付してもらいます。

ママの健康保険 任意継続の健康保険
パパの仕事 関係なし
申請先 退職前の健康保険

退職しても、前の勤務先の健康保険に任意継続した場合は、前の勤務先の健康保険に申請をします。

③専業主婦、パート、自営業の場合

専業主婦、パート、自営業のママの場合の出産育児一時金の申請先についても、加入している健康保険で異なります。
専業主婦、パート、自営業のママの場合の健康保険の種類は以下の2つに分けられます。

まず、
①国民健康保険
専業主婦で、パパが自営業の場合は国民健康保険に加入
もしくは、
自営業か、パートをしているママで国民健康保険に加入している場合

②パパの健康保険
専業主婦である、もしくは、働いていても年収が130万円未満のママで、パパが会社員・公務員の場合はパパの健康保険に加入

ママの健康保険 国民健康保険 パパの健康保険
パパの仕事 自営業 会社員・公務員
申請先 国民健康保険 パパの健康保険

国民健康保険の場合は、住んでいる市区町村の役場で申請をしましょう。

パパの健康保険の場合は、パパの勤務先の担当部署に申請をしましょう。

Ⅴ.最後に

出産育児一時金は、たいていは誰でももらえる給付金になりますので、申請忘れのないようにしましょう。よくわからないという方は、まずは、出産する予定の病院に出産育児一時金について問い合わせをしてみましょう。「直接支払制度」を利用している病院が多いかと思いますので、その場合は特に自分で申請をする必要はありません。
病院側が「直接支払制度」を導入していない場合は、自分がどの健康保険に加入しているのかを確認し、自分が加入している健康保険に申請をするようにしましょう。
申請漏れがあった場合でも、過去2年をさかのぼって申請できますので、申請忘れのないようにしましょうね。